空想科学祭FINAL感想掲示板

空想科学祭FINALにようこそ!
今回は、作者側から事前に「感想耐性レベル」を伺っています。
詳しくは、企画サイトの作品リストをご覧ください。
なお、スレッドは実行委員会で立てますので、ご了解ください。


★読者さんにお願い★
・耐性レベルより辛口の感想をつけないように配慮する。
・誹謗中傷にあたるような書き込みをしない。
・他人の書き込みに、いちゃもんをつけない。

★作者さんにお願い★
・作者からのレスは、企画終了後に纏めておこなうこと。
・自分の示した耐性レベルより
  辛口ではないかと思われる感想が書き込まれても逆上しない。


[3] マルゴ・トアフの銀の鳥/HAL.A【レベル3】 Name:空想科学祭実行委員会 HOME 2012/07/29(日) 00:24 [ 返信 ]
 鳥から進化した種族・トゥトゥ。彼らは地上に文明を築いたのちも、いまだ自らの翼で空を飛び、そのことに誇りを持っている。初夏になると若いトゥトゥたちはいっせいに北の大地をめざして旅立つ。
 生まれつき抱える障害のために飛ぶことの出来ないエトゥリオルは、地上からいつもひとり、大空を舞う同胞たちを見上げていた。
 ある日、友人から誘われて、異星人の居留区に出掛けることになったエトゥリオル。そこで彼が見たものは、空高く舞う、銀色の飛行機だった。

http://ncode.syosetu.com/n6417bh/



[120] 感想 Name:流山晶 2012/08/13(月) 19:45
若輩者の私が言うので、あまり信用ならないですが、
プロ並みにうまいというのが感想です。

物語は、障害を持つ若者が大人になるという青春小説なのですが、世界観を含む舞台設定が非常によくできています。文章、描写も文句のつけどころがないぐらい巧みです。

気になったのは、長さでしょうか?
私は、読むのが遅いので、これだけの長さの小説を読み始めるのには勇気が要りました。後半のテンポの良さを考えると、前半はもう少し刈り込んでもよかったのではないかという気がします。
また、全体のレベルの高さを考えると、あらすじや第一話で、読者をひきつけるものがあれば、なお良かったと思いました。


[123] RE:マルゴ・トアフの銀の鳥/HAL.A【レベル3】 Name:緑乃帝國 2012/08/14(火) 17:06
 いい作品だった。面白い作品だった。
 よくぞつくり上げられたと思います。
 空を飛べるのが当たり前の鳥人の星で、飛ぶことができない若者の成長物語。堪能させていただきました。
 清濁併せ飲みながらもどこか性善説的というか、温かみと、すべての主要人物に救いのある世界と物語を魅せていただいたように思います。飛べないことの悩みだけでなく、飛べてしまうことの悩み、飛べないからこそなされる努力と、またそこから派生する諸問題を多角的、多面的に描かれていて、群像劇としての厚みも堪能させていただきました。この企画で、これが読めてよかった。

 一点、これだけは指摘しておきたいことが。
 美しい、上品な含め主観的な言葉が多すぎるように感じられます。それが美しいかどうか、上品と感じるかどうかは、そこに書かれているものを読んで、私自身で判断したい。そう思います。


[125] 作者様、申し訳ない【レベル3】 Name:ゲゲゲの戯 2012/08/14(火) 18:34
純粋な文章力で言うならば、この作者様の立っている領域はこの空想科学祭において随一と言えるだろう。ノンストレスに読ませる無駄のない清い流れのような文章力はそれだけで驚嘆と絶え間ない讃辞に値するものだ。(このお話は謎をちりばめたりといったプロット力で読ませている小説ではない。この手の『長編小説』においてそれをするのは相当な難事である。)
そして、選んできた素材もこの作風に合致していると言える。先天的障害を負い空を飛んだことがないトゥトゥの「リオ」、家族と折り合いがつかずに新天地にやってきたテラ人の「ジン」。この二人はどこか己の属していた社会からはじかれた人々である。実は彼ら二人だけではなく、登場人物の多くはそうやって社会からはじかれていた人々だ。そうした彼らの屈折が、最後のシーンに集約されていく様は胸を打つものがあった。

さて、本来ならここで筆を措いても良かった。
しかし、これだけの筆力を誇る作者様におかれては、ここで何も語らぬのも逆に失礼だろうと思い、レベル3申請作品であることを頭の隅に置きつつもこの続きを書くものである。

筆者としては、主人公・リオの兄であるエイッティオのキャラクター配置が気になっている。
彼は最後の場面において重要な役割を負っている。そして彼にも彼なりの屈折があったことが判明するのだが、少々彼の屈折について足早に説明してしまった感がある。個人的な感想を言えば、エイッティオの屈折や行動が若干唐突に思えた。彼の人物像の掘り下げをもっと前のうちからやっておくべきだったのでは、とわが身を棚に上げつつ述べるものである。
あと、やはりエイッティオ絡みになってしまうが、彼のハイテンションに引きずられて地の文の言葉選びが雑になっている個所もある。

もっとも、これらの点はこの作品の持つ魅力によって十分隠れている。作品全体を見渡した時には、まさしく良作であると付言しておく。


[131] 【ネタバレ含む】感想 Name:鄭文ういな 2012/08/15(水) 21:29
 本編を読む前は、あらすじの感じから、人類が滅亡した後の地球が舞台なのかな、と勝手に想像していました。ところがそもそも、地球が舞台ではなかったとは。予想の斜め上を衝かれました。
 小説を問わず創作物において、異星人が登場するものはゴマンとあります。そのせいあって見落としそうですが、その異星人≠フ立場から地球人を見る作品は案外少ない。落ち着いた斬新さを感じました。ありふれた題材(異星人)を、あまり見ない形に置き換える、その発想に感服します。
 トゥトゥの立場からのときは「テラ」、ヒトの立場からは「地球」といったように、単語のひとつひとつにまで丁寧に工夫がなされていますね。その姿勢には素直に憧れます。

 しかし、ジンの家族の問題について、読み終えても「結局どうだったの?」といった思いが残ったのが気になります。
 あくまでも一意見ですが、ジンの家族設定は、ジンの性格・行動理念の裏づけにしかなっていないのではないでしょうか。背景になっているだけで、物語に絡められていないように思いました。作者さんがわざとそうされたのかもしれませんし、もしかしたら僕が読み零しただけかもしれませんが、解決はせずとも、なにかしらの反応が欲しかった。終盤あたりで、一瞬だけ姉の姿がジンの脳裏に浮かんだ、などのような叙述が一行あるだけでも、印象はけっこう変わっていたんじゃないかなと思います。

 ここだけの話、僕は小説を一気読みするのが苦手なのですが、この作品では一気に読み終えることができました。
 執筆おつかれさまでした。


[134] 面白かった〜 マルゴ・トアフに行ってみたいです〜【レベル3】 Name:招夏 2012/08/16(木) 00:02
こんばんは 拝読致しましたので感想を…

丁寧な文章、秀逸な情景描写、きめ細やかな心情描写、どれをとっても絶品で、人類と違う進化を辿った鳥人の惑星を思いっきり楽しむことができました。しかも、やはりHAL.Aさんは空を描かせると天下一品ですね〜。心がどこまでも解放されていくような突きぬけた澄みわたった空を堪能させていただきました。

コンプレックスを抱いて縮こまるエトゥリオルを更に萎縮させてしまう他のトゥトゥの何気ない言葉や表情と、それに一々反応してしまうエトゥリオルの描写が秀逸で、エトゥリオルと一緒に泣きたくなりました。実際こういうのってありますよね、言ってる本人には何気ない一言が、何気ないだけに逆に深く相手を傷つけてしまうことって…。言う方はもちろん気を付ける必要があるとは思うのですが、それを受け止める、あるいは受け流すだけの強さが、受ける方にも必要になるんだろうなとよく思います。

何をしてもうまく行きすぎる兄のエイッティオ=ルル=ウィンニイとの対称がすごく好きでした。支え助けているようで、実は自分も支えられてる。そんな自然な存在同士の兄弟なんだなぁとほっこりと温かい気持ちになれました。

あとね、ネーミングの妙に感心させられましたよ〜。マルゴ・トアフ自体が素敵な響きなんですが、セルバ・ティグ(西部公用語) とか惑星ヴェドどれも響きが良いです。実在するみたいだし。それに、何と言ってもトゥトゥの名前! 産声が名前になるなんてすごいし、それぞれの雰囲気に凄くあってました。エトゥリオルは繊細そうだし、エイッティオ=ルル=ウィンニイは陽気そうだし、ギイ=ギイなんて気難しそう以外に考えられない〜(笑) そのネーミングセンスを是非ご教授くださいませ〜

もう私的には大絶賛なのですが、一つだけ、他の方も書いてあるようですがジンの存在が気になりました。人づきあいがうまくなくて…と何度も書かれてある割には、エトゥリオルへの気遣いがハンパなく、これで人づきあいがうまくいかないなら、大抵の人は人づきあいうまくいかないって…、と折に触れ思いました。ジンの心の傷とエトゥリオルの心の傷。傷の痛みを知る者同士だからこそ、お互い支え合えるのだと言うことを表現したかったのだとは思うのですが、エトゥリオルに対する態度とお姉さんへの態度の落差があまりにもあり過ぎて、ジンの人柄が今一つ安定していなかったような気がします。ジンの方はこの後、どうなったの? というのも気になりました。

まぁ、何はともあれ、本当に心地よく最後まで読ませていただきました。清々しいっ! の一言です。

以上、素敵なお話をありがとうございました。


[227] RE:マルゴ・トアフの銀の鳥/HAL.A【レベル3】 Name:尚文産商堂 2012/08/22(水) 10:41
心情など、登場人物たちの内面がうまく書かれていて、うまいと思います。
さっぱりとした後味の作品に仕上がっていると思います。


[244] 【ネタバレ注意】飛べない鳥が飛ぶとき Name:鹿目 咲 2012/08/23(木) 13:10
 一話目から泣いたのは私くらいなもんでしょう……。表現の美しさとそこから染み出てくる感情の渦に飲み込まれてしまいました。
 劣等感の塊であるエトゥリオルが、ものすごく身近に感じられました。彼の心が痛むと、一緒に涙があふれてくるような感じです。
 卑屈にならなくても、十分魅力的なのに、彼自身そうは思っていない。これを、サムが伝えてくれたとき、彼はどう思ったのか。少しずつ前向きになっていく姿には好感が持てました。
 この話の中に出てくる人物はとにかく前向きで、悪い人がいない。エトゥリオルにしたってジンにしたって、現状をなんとかしなければと足掻いているだけで、後ろ向きには見えないんです。だからこそ、優しい話に仕上がっているのだと思います。
 ジンの姉の存在は、ちょっと半端な気がしました。ねたみからジンと母を蔑んでいた割に、それほど極端に攻撃的ではない。まるっきりの黒に仕立て上げるつもりは最初から無かったのかも知れませんが、ジンの性格をねじ曲げるにはもうひと展開くらいあった方が、アクセントが効いたかも。ジン自体も、それほどへそ曲がりってわけじゃなく、単に絡みづらい人で終わっていたような気もします。
 とはいえ、全体的にまとまりがとてもよくて、実際の所は気になるところはほんの些細、物語の中にどっぷり浸かれるだけの文章であふれていました。特に、澄み切った空と、マルゴ・トアフの景色が素敵でした。
 良い作品を読ませていただき、ありがとうございました。


[254] RE:感想です Name:早川みつき 2012/08/24(金) 13:38
拝読しましたので感想を。

作者さまの文章力は他のレビュアーさんも絶賛されるとおり。
流れるようにノンストレスで読ませる圧巻の筆運びで、コンプレックスを抱えた主人公エトゥリオルの成長が描かれます。
テラ人である友人サムや上司のジン、兄エイッティオなどとの関わりを横糸に、細やかな描写で紡ぎ出されるストーリーは、まさに青春小説の趣で後味もさわやか。
読後に風が吹き渡るようなすがすがしさでした。

中盤、割合に短いターンで視点が移るところがあり、自分としては主人公側に寄せて描いたほうが落ち着くのではとも感じましたが、ごく個人的な好みの問題かもしれません。

〈レベル3〉の感想として、物足りなかった点を挙げるなら、SF的世界観の提示の仕方でしょうか。
これは、これだけの文章力のある作者さまだからこそ申し上げる、自分のわがままですけれども。
できれば序盤のうちにヴェドという地球とは別の惑星の全体像を提示していただきたかったかなと。
もちろん、トゥトゥの習性や名前の付け方、作物についてなどのディテールはよく練られ、魅力的に描かれていて感心させられたのですが、惑星自体の描写が不足ぎみに思えました。
海はあるようですが、どのような割合なのか、大陸はひとつだけなのか。鳥と鯨以外にどんな動物がいるのか。
山岳や大河はあるのか、かつてトゥトゥが住んでいたであろう森林はどのように分布しているのか……。
マルゴ・トアフというテラ人の町に舞台が限定される前に、ヴェドの鳥瞰図が示されていれば、主人公の飛びたいという願望もいっそう際だったのではと愚考する次第です。

これはほんの個人的な感想です。
理解不足ならびに、レベルを超えた指摘とお感じの場合は平にご容赦ください。

執筆お疲れ様でした。すてきな読書の時間をありがとうございました。


[262] リオの飛行機に乗れるのなら、ぜひとも乗りたい!! Name:秋原かざや 2012/08/24(金) 17:16
空に居る時間は少ないのですが、でも、こんなにも素敵に空を描けるのでしょうか。
これこそ、あれですね。
美味しいものは、ちょっとずつ。
なんだか、凄いシェフの高級料理を食べたような、そんな素敵なひと時でした。

1話1話が長かったので、一気読みできるか不安だったんですが……そんなことなく、難なく読めてしまいました。

ジンとリオも素敵ですが、私はあの素敵に進化した女史さんが好きです☆
それと、いろいろとジンのことを仰っている方がいましたけど、私は気になりませんでした。
メインはリオですし、なくても成立するお話ですので。
複雑な関係が必要だったからこその、ジンの立場でしょうから。
実は私も、メインに絡まないものは切り捨てた部分があったので、この作品もそういうことなのかなと思いました。
私はあれでよかったと思いますよ。

とにかく、素敵な素敵なトゥトゥのお話、これまた多くの方に読んでもらいたい作品だと感じました。とっても楽しませていただきました。


[340] 癒される美しい物語 Name:鳥野 新 2012/08/27(月) 20:52
 美しい物語。そういう読後感だった。ある意味王道であるが、その王道が限りなく心地よい。ハンディを持ったリオの成長物語に涙腺が刺激されてしまった。
 二つの文明のせめぎあいとリオの変化が静謐な筆で淡々とつづられていく、しかし吸引力は衰えることなく最後まであっという間に読み終えてしまった。
 リオの心の中の影が引き立つように、少年のころの不遇がもっと際立っていれば最後がより引き立ったかなという感じはしたが、もはやそれは言いがかりに近い感想かもしれない。
 王道でも、全くそれが気にならなかった。気持ちが沈んでいる時、この話を手に取ることができた読者は幸運だ。本屋の本棚にぜひ並ばせたい作品だった。


[344] RE:マルゴ・トアフの銀の鳥/HAL.A【レベル3】 Name:海苔島まさぴ HOME 2012/08/28(火) 09:45
長編おつかれさまでした。

すばらしい王道でしたね。
自分内のライブラリにて「紅の豚」と対になる棚に放り込んで「青・白・銀」とラベルをつけました。
文章もアクなくイメージを連想させる手段に徹しているような印象で、お話をただただ追うことに専念できましたので長さをあまり感じませんでした。

そもそも昨年もこの方の作品は、勝手ながら気が合うなーと、自分が書きたいけど書けないことを自分よりうまくかいておられるので本当にすっと染みこむかんじで読ませていただいております。
批評というより個人的な感覚になってしまいますが、鬱屈あり葛藤あり、精神的障害あり物理的障害あり事件があって主人公の成長がある、ひとにおすすめできる要素のいっぱいつまった作品かとおもいます。


[622] RE:マルゴ・トアフの銀の鳥/HAL.A【レベル3】 Name:四十万 2012/09/09(日) 22:50
 読み終わった途端に一頁へ戻り更に頁を繰り目を通し始める物語がある。疑問が残りそれを確かめるために戻る場合、私にとっての物語はそこで終わっている。探しているのは謎解きやら瑕疵やらで、それは余韻ではない。しかし、読後の余韻と共にもう一度初めに戻りたい、目を通した最初に還りたい物語もある。そういう作品は暫く心に残る物語になるだろう。
 本作は、そういう戻って繰り返したくなる要素を持つ物語だったのだが。

 既に昨年から何人もの読者が語っている通り、この作者の筆力、構成力はハイレベルだ。知らず知らずのうちに頁を捲らせる力と言うのは一種センスであり、おいそれとは手に入れられぬものだ。沢山書いて・沢山読んで、だけでは解決しない。それをこの作者は持っている、と言えるだろう。
 物語は地球と異星、それぞれの星に生まれた二人の青年のビルドゥングスストーリーと呼んで構わないだろう。先の文体もあって、楽に読み進めることが出来る。情景描写心理描写共に過不足なく、美しく、起伏もあり精神的葛藤も存分にある。だが、読み終わった後にカタルシスはなかった。それを感じる予感はあったが、感じることが出来なかったので、最初の頁へ戻ったのだった。
 もちろん、これは感性の問題であり、好みの問題でもある。これを具体的に説くのは難しい、が、一つだけ言えるのは、筆力や物語の完成度の高さに対して、私にはプロット(特にSF的な)や人物創造の弱さが見えてしまった、と言うことだと思う。この辺りがこの作者の課題のように思われる。特に主人公を取り巻く脇役たちの人物造型―それが主人公の有り様に関わる様な性格や発言など―をもう少し深く掘り下げることが出来たのなら、それは素晴らしい成果となって現れるのではないか、と勝手な希望を言って筆を置く。


[675] RE:マルゴ・トアフの銀の鳥/HAL.A【レベル3】 Name:泰然寺 寂 2012/09/12(水) 16:28
 優しい物語でした。文章からストーリーから柔らかい。
 お話の筋は王道です。他意はないです。目標に向かって進んでいきます。異文化交流と友情もの、とくくってしまえないほど。この作者さんの前作(空想科学祭の)に言及するのもアレなんですが、文章の透明度が素晴らしいです。静かです。なんだかストーリーに言及してない感想になっている気がしますが、それはそれ。
 素晴らしい作品、ありがとうございます。


[845] 【ネタバレ有り】感想です Name:桐谷瑞香 2012/09/23(日) 01:56
気が付けば最後のページまで捲ってしまいました。心が温かくなるような素敵なお話で、ついつい目頭が熱くなってしまいました。優しくも丁寧な言葉の使い方が、柔らかいお話全体に浸透していました。そのためか、とても滑らかで、読んでいてもまったく途切れることがなかったです。
このお話では飛行機に乗るのは賛成派が物語に出てくる人たちが大多数を占めますが、その中でもきちんと反対派の意見も書いている辺りが隙がないと思いました。

一方で、魅力的な登場人物たちが、それぞれの意見をきちんと持っているのが良かったと思います。
リオとジンの真面目過ぎるけれど、頑張って前に進もうとしている姿。
特にリオが確実に精神的にも成長している姿がしっかりと書かれており、一番好きなシーンでもある、軽やかに大空を舞っている姿がすごく素敵で、一緒に飛行機に乗り、空を共に眺めているような光景まで浮かびました。
また最後にも現実を見て、進んでいく姿が好感を抱きました。いくら良い面だけみても、それは物事の側面しか見ていない。悪い面も見てこそ、成長するためには必要ですよね。
エイッティオは当初は変な人だなと思ったのですが読み進めているうちに感情移入し、リオを助けようともがいている姿がとても印象的でした。ベイカー女史の楽しそうな姿や、進むべき道もとても魅力的でしたね。

気になったところとしては、既に述べられていますが、ジンのお姉さんに関して、結局この家族はどうなったの?という感じでした。終盤部がリオメインになっているので、ジンの方のお話が霞んでしまったというのが正直なところです。

最後は本当に爽やかな読了で、面白い――そういう単語ではなく、純粋に素敵なお話でした。ありがとうございました。


[935] すばらしい【ネタバレあり】 Name:ねぎ 2012/09/28(金) 12:00
 しょっぱなから、引き込まれました。飛べることが当然の種族の中、『飛べない』ことに悩む青年の物語。
 世界観や細かな設定の説明を読者に重荷にならないようにさりげなくちりばめ、物語の中に引き込んでいく筆力はアマチュアとは思えません。まったく無理なく情景が浮かんできました。感情移入ができました。すばらしかった。

 これで終わってもよいのですが、一応気になったところを。
 本文の冒頭にトゥトゥが唐突に出てくるところがひっかかりました。あらすじにトゥトゥの説明がありますが、本文をいきなり読む人のために、一言でよいので、説明がほしかったです。

 まあ、しかしこれは些細なことです。気づいてみれば、ぐいぐいと物語に入り込み、あっというまに読み終わっていました。
 爽やかで、気持ちいい物語、ありがとうございました。


[1003] 感想【ネタバレ】 Name:イトマキエイ 2012/09/30(日) 20:57
渡り(オーリォ)の話が出てきた時には、ヒマラヤを越える鶴の群れの写真が目に浮かびました。エヴェレストを眼下に飛ぶのですから、一万m近い高度でしょう。生命のギリギリを飛ぶ姿は、まさしく成人儀式にふさわしいなと思ったのですが、オーリォはそれほどでもないようですね。どれほどの試練の旅なのか、書かれていないのが残念でした。進化の過程で培われたものなのか、文化的に成人儀式として取り入れられたのか。生殖の季節との関係もありそうですが、そのへんはどうなっているか興味があります。

やはりメインは、エトゥリオルが飛行機によって成人となるお話と読みました。

ただ、飛べないとの絶望があるものの、周囲に偏見や悪意がないため、仕方なしにしても彼自身が境遇を受け入れればそれなり生きていける環境が整えられていることが、お話の前提としていささか甘さを感じてしまいます。
そして、憧れの翼を見た途端、あっさり決まった希望通りの就職先。それなり気苦労はありますが、心根の良い人同士の気持ちの行き違いだけなので、さして仕事に差し支えることもなく、すべてが順調。オーリォもこんなものなのかと首を捻りました。
一番心にひっかかったのはエトォリオルが会社を飛び出し湖に行った時点で、単に自分の行動を反省するだけで、仕事が飛行機が自分にとってなんであるか自分で思い至らないところです。後からジンに「飛行機は好きか?」と聞かれ「好きだ」と答えていますが、これは自分自身で気づいき、みっともなくてもしがみつかねばならない大事な事柄だと思うのです。
大事な所で常に他者が介入してしまう。
仕事仲間のトゥトゥとのやりとりを通して、エトゥリオルの立ち位置、葛藤も見たかったなと思います。ジンの身の上もなかなか重いものがありましたが、あくまで主人公がエトゥリオルであるなら、その分トゥトゥとの絡みがあったらなと、まあ、これは自分の勝手で申し訳ないのですが。

最後に疑問に思ったのは、飛行機に突っ込んだ青い翼のトゥトゥが職を失って自棄になってとありましたが、トゥトゥはいろいろが職を渡っていけるのではなかったでしょうか。はっきりしないとありましたが、トゥトゥにとって自殺はどのような意味があるのかとも思いました。

いろいろ辛口を書きましたが、もっともっと見たいと思わせる素晴らしいトゥトゥの世界でした。苦にならない平易な文章で、これだけの世界を描ける筆力に脱帽です。


[1007] 感想です【ネタバレあり】 Name:神沢翠 HOME 2012/09/30(日) 23:31
 「飛べない鳥人が技師として飛行機を作る」!
 もう、コンセプトが分かっただけで涙が出てきました。自分の机を手に入れたリオの気持ちは自分が社会人になったときとシンクロし感慨深かったです。
 主人公を取り巻く人間模様が丹念に組み立てられていて、見事。希望がもてるラストでもあり、頑張りたいなぁ、という気分にもさせてもらえました。
 文章も非常に読みやすく、長さを感じませんでした。雰囲気を作る上でも、有効に機能していたと思います。
 ファンタジックであっても、科学考証はしっかりしていて、まさにSF。
 SFだからこそ描ける希望であり感動だったと思いました。


[1019] 返信です Name:HAL.A 2012/10/01(月) 00:10
 こちらで感想・ご指導をくださった方々はもちろんのこと、お読みいただいた方々、ツイッターや他の場所でお声をかけてくださった方々、みなさまに感謝したいです。
 わたしは去年が初参加で、最後の二年間で勉強させていただいたことになりますが、得難い経験をさせていただきました。また、すぐれた書き手の方々とお知り合いになれたことも大きな喜びでした。とても有難い機会をいただきました。本当にありがとうございました!


 以下、個別の返信になります。


> 流山晶さま

 感想ありがとうございます。
 舞台については、本当だったら書きたかった設定がもっとたくさんあったのに、思うように盛り込み切れなくて悔しかったのですが、お言葉に報われる思いです。
 反面、やはり削りきれなくて仰るとおり序盤が冗長になってしまい、自覚はあったのにもかかわらず、しっかり絞り込みきれませんでした。この悔しさを胸に刻んで、次に書くものに多少なりと活かしたいです。
 もったいないようなお言葉を頂戴しました。ありがとうございました!


> 緑乃帝國さま

 ありがとうございます。まだ書きあげて間もなくのナーバスになっていた時期に、思いがけず力強いお褒めの言葉をいただいて、おおいに励まされました。感謝です!

 すべての主要人物に救いのある結末、これはもうそのように書こうと思っていました。困難を乗り越えてのハッピーエンド、というものがなかなか書けずに、自分の中でひとつの壁になっていました。挑んではみたものの、結果的には充分に書きこみきれず、悔いになってしまいました。お言葉を拝読すると、もしかしてこちらの力不足で充分に表現できていなかった部分まで、拾っていただけたのかなと思います。

 ご指摘の点については、拝見して思わず顔が赤くなりました。まったくもってお言葉の通りで、お恥ずかしい限りです。精進します。
 ありがとうございました!


> ゲゲゲの戯さま

 去年に引き続き早くから読んでいただいて、その上に温かいお言葉まで頂戴しまして、本当にありがとうございました!

 恥ずかしながら発想力が貧困で、独創的なアイデアであるとか、凝ったプロットというものが、最も苦手とする分野です……。ここはひとつ居直って、ベタだろうがなんだろうが真っ向勝負するほかないという気持ちがありました。結果的に力が足りず、ちっとも思うように書けませんでしたが、いい経験になったと思います。

 ご指摘についてもありがとうございました。汗顔の至りです。エイッティオ=ルル=ウィンニイには自分では一番好きなキャラクターで、彼の登場するシーンが、実は一番気合が入っていました。その分だけきっちり筆が上滑りした格好です。
 ご指摘、今後に活かしていきたいです。ありがとうございました!


> 鄭文ういなさま

 感想ありがとうございます。人類滅亡後の地球を想像されたとのお言葉に、「ああーしまった!」と画面の前で声を上げてしまいました。自分があらすじを読まない派というのもあってか、どうもあらすじや紹介文の類が苦手で、いつも何かしら失敗してしまいます。ありがとうございます。
 ジンの家族の件についても。ジンが姉にあてて返信を送るエピソードを入れるつもりでいたのが、いざ書いてみれば、差し込むタイミングを見つけきれませんでした。反省です。

 異星人から地球人を見た小説は案外少ないというお言葉に驚いて、思わず自分の本棚をチェックしてしまいました。いわれてみれば、あまり見かけないような。(探せばどこかにあるのでしょうが……)
 本当なら異星人というものは(それも鳥類であるならば)、もっと異質な思考回路を持っているのではないかという気持ちがあります。エトゥリオルについては、飛べないという特質のためかトゥトゥにしては随分「地球人的な」性格をしている、というフォローをかろうじて捩じ込みましたが、我ながら苦しい言い訳だったなと思います。ましてエイッティオ=ルル=ウィンニイやギイ=ギイに至っては、そういう言い訳も通用しないですし(汗)彼らも生物である以上、いくら環境が違っていてもある程度の相似は見られるだろう、けれどこんなに地球人的ではないだろうなと思います。そういう部分の表現をきちんと出来なかった自分の想像力の限界も、後悔のひとつでした。

 なにやら言い訳がましい返信になってしまいました……お恥ずかしいです。一気読みできたとのお言葉、とても嬉しかったです。ありがとうございました!


> 招夏さま

 ありがとうございます。エイッティオ=ルル=ウィンニイがお気に召していただけたとのこと、すごく嬉しいです。

 ネーミングを褒めていただいたことも、とても嬉しかったです。登場人物の名づけがうまくいかないと話が書けないタイプの人間なので、いつもいろいろと悩むのですが、トゥトゥの三人は早い段階ですんなり決まりました。エイッティオ=ルル=ウィンニイについては……登場するだけでむやみに文字数を食う男になってしまいましたが(笑)

 ジンの家族の件、ジンが姉に返信する場面を入れるつもりでいたのが、いざ書いてみれば、入れられませんでした。構成力というものが足りず、ほかにも色々書きこみ切れなかったエピソードがあって、無念です。
 彼が自分のことを「人付き合いが下手だ」と思いこんでいる件は、完全に言い訳になってしまうのですが、「本当は思いやりのある人間なのに、母親の言葉のせいで、自分自身のことを人の心のわからない人間だと思い込んでしまっている」というような描写をしたかったんです……。が、力がたらなくて、ちっとも伝わるように書けていません。悔しいです。この悔しさを覚えておいて、今後に活かします。

 温かいお言葉の数々、ありがとうございました!


> 尚文産商堂さま

 ありがとうございます。登場人物の内面については、もっと書きこみたかったのにどうも力及ばず、メインストーリーをなるべくシンプルにという方針との間で、うまく折り合いをつけきれませんでした。拙い筆ながら、何かしら伝わるものがあったのであれば嬉しいのですが……。
 ありがとうございました。


> 鹿目咲さま

 ありがとうございます。一話目(から四話目くらいまでにかけて)、ひどく冗長で退屈なものになってしまっているような気がして冷や汗をかいていましたので、一話で感情移入していただけたとのお言葉が、とても嬉しかったです。

 ジンの姉については、もうひとつふたつエピソードを入れるつもりでいたのですが、いざ書いてみたら入れきれませんでした……。無念です。
 ジンのコンプレックスのことも。もっと読んでくださった方にちゃんと伝わるように書ければよかったです。

 わたしは自分自身がものすごくコンプレックスの強い人間で、この子の話はいつかどうしても書かなきゃいけないと思っていたので(彼がエトゥリオルという具体的な姿をとって頭の中にやってきたのはここ一年くらいの話ですが)、彼の劣等感を身近に感じていただいたとのお言葉が、とても嬉しかったです。
 温かいお言葉の数々、ほんとうにありがとうございました!


> 早川みつきさま

 ありがとうございます。SFの皮を被った青春小説でした……もっとSFSFしたものが書けるだけの頭が欲しかったです(涙)

 視点、どうしても俯瞰視点で書きたいシーンと、それぞれの人物の視点で書きたいシーンがあって、苦肉の策でした。おなじ混在させるにしても、もうちょっとうまいスムーズな処理がなかったものかと、悔いが残っています。

 世界観も、もっと書きたかったです。舞台がせまくなってしまったこと、いまでも悔やまれます。
 自分で作った設定が自分の首を絞めた格好になってしまいました……。構想当初は、ジンが出張でほかの土地に行く話なども書くつもりだったのですが、いざ具体的にプロットを切ってみると、書く隙間を見つけきれませんでした。無念です。

 ここで書くことではないかもしれませんが、書いていた当時からたびたび励ましていただきました。本当にありがとうございました!


> 秋原かざやさま

 ありがとうございます。もったいないようなお言葉を頂戴しました。
 一話あたりの分量、長いですよね……。個人的な感覚ではかなり短く絞ったつもりなのですが、なろうさんの平均からするとまだ長すぎるんだろうなという気は、薄々していました(汗)
 それでなくてもオンラインノベルの読者さまがたは、見切りをつけるのが紙の本よりも早い傾向がありますし、もっと短いスパンできっちりと山谷を作れるようになりたいです。精進します。

 ベイカー女史がお気に召していただけたとのこと、嬉しく思います。ジンのエピソードのフォローもありがとうございました。仰るように、メインになるエトゥリオルのエピソードに絞ろうという気持ちがあり、といって削りすぎてもジンがエトゥリオルを飛ばせたいと思う動機が薄れてしまうと、悩んだ挙句のことでした。それにしてももう少しなんとか出来たのではないかと、悔いが残っています。

 温かいお言葉、本当にありがとうございました!


> 鳥野新さま

 ありがとうございます。過分なお言葉を頂戴して、汗を掻きつつ喜んでいます。

 斬新なアイデアとか、凝ったストーリーとかいうことがすごく苦手で、もう自分は愚直に正面からいくしかないと、半ば開き直っている身です。一方で読者として古今東西の物語を追っていけば、どこにも目新しい要素がなくても、時代を超えて読み手の心に響く物語というのはいくらでもあって……。
 ベタと普遍を隔てる何かがあるんだろうなと、近ごろよく思います。そういうものに、半歩でも近づけたのであれば嬉しいですし、まだまだベタの粋を出ていないとも思います。

 エトゥリオルの不遇について、たしかに仰るとおり、もっと印象深く書けたはずと思います。今回、書きたいと思った物語に対して、力が足りずに書ききれなかった部分が多く、悔いがたくさん残っています。この悔しさを忘れずに、引き続き精進してまいりたいと思います。

 身に余るお褒めのお言葉を賜りました。ありがとうございました!


> 海苔島まさぴさま

 ありがとうございます。アクのない文章、目指しているので、お言葉がとても嬉しかったです。
 書き手が自分をさらけ出して前面に出てくる小説と、書き手の存在を読んでいるあいだ忘れさせる小説、どちらがいいということでもないけれど、自分では後者を目指しています。だけど今回、どうしても語り手が俯瞰する視点で書きたい場面がいくつかあって、おかげでいつになく文体に苦労しました。自分で読み返そうとすると、文章のぎこちなさに苛々するのですが(汗)、話を追うことに専念できたとのお言葉に、ひとまずほっといたしました。

 謙遜しておられますが、螺子街を拝読して「やられたー!」と叫んだ身としては、素直に受け取りがたいものが……でも嬉しいです。ありがとうございます。
 温かいお言葉、ありがとうございました!


> 四十万さま

 ありがとうございます。構成力が足らず、何を書いていてもついつい冗長になってしまう傾向があるので、今回何度となくプロットを見直して、書いた部分をまた書きなおしてみたり削ってみたりと、初稿にせよ推敲にせよ、かなり悪戦苦闘しました。
 文章も同様で、どうしてもこの文体で書きたいと思ったいくつかのシーンがあったがために、普段は使わない文体とスタイルに挑む羽目になりまして、何ともぎこちなくいびつな仕上がりになってしまいました。おかげでいま、自ら読み返すに堪えません……。
 が、頁を捲らせる力があったとの評に、少なくとも多少なりと苦労の甲斐はあったのかなと、報われる思いです。

 ご指摘についてはまったくもって仰る通りで、人物造形等々、もっとやれたはずだと、自分でも思います。悔しくもありますが、もっと書けるといってもらえることは、嬉しくもあります。
 この悔しさを胸に、引き続き精進したいと思います。ありがとうございました!


> 泰然寺寂さま

 ありがとうございます。もう自分にはベタしか書けないと開き直っているものですから、それならそれで、もっと正面突破力を身につけないといけなあと思います。
 異文化交流は、自分の中でも重要なテーマなので、本当はもっと、そのあたりもきちんと書きこみたかったです。異星人文化の異質さを演出するだけの知識と能力がなかったことが悔やまれます。
 文章をお褒めいただいて嬉しかったです。自分では、うまく書けなくてぎこちなくなってしまったと、肩を落としていましたので、おかげさまで少し浮上いたしました。ありがとうございました!


> 桐谷瑞香さま

 ありがとうございます。反対派の意見について、拾っていただいて嬉しかったです。
 身の程しらずを承知で申せば、世界を丸ごと描くというのがやはりひとつの理想で、けれどそのためには知識も演出力もまったく足らず、悔しい思いをかみしめながらの脱稿でした。わたしに力があってもっとそのあたりをきちんと書ければ、彼らがマイノリティであることが、しっかりと浮き出てきたのではないかと思うと、いまでも悔しいです。

 エイッティオ=ルル=ウィンニイに感情移入していただけたとのこと、これもとても嬉しかったです。自分では思い入れのあるキャラクターだったのですが、力不足できちんと書ききれなかったなと、やはり悔いが残っていました。小説を書いていて、ときおり書き手としての表現力不足を、読み手の方の想像力や感性で補っていただいたと感じる機会があります。ほんとうに有難いことです。

 ジンの姉との関係は、その後をちらりと書くつもりでいたのですが、構成力が足らずに、話の流れを邪魔せずに入れるタイミングを見つけきれませんでした。無念です。この悔しさを糧にして、今後に活かしたいです。

 こちらこそ素敵な感想を、ほんとうにありがとうございました!


> ねぎ様

 ありがとうございます。惑星ヴェドの設定については、頭脳も知識も足りない中で慣れない勉強をしながら、ファイル一冊とノート三冊使って、めいっぱい膨らませていました。
 その分、うっかりすると話に関係のない設定ばかりつらつらと書いた退屈な小説になるぞという頭があって、話に関係のない部分は極力書くまいと、取捨選択に苦労しました……。
 それでもどうしても出したい欲を抑えきれなくて、冗長になってしまった箇所もいくつもありましたが、こんなふうにいっていただけて、苦労した甲斐があったと思えました。

 冒頭についてのご指摘も、ありがとうございます。わたし自身があらすじを読まない派ですので、なるべくストレスなく設定が入ってゆくように……という意識は一応はあったのですが、「トゥトゥって何だ? 人間じゃないのか?」というようなツカミを作りたくて、いきなり名詞を入れてみたんです。いま振り返ってみると、いかにも浅はかでした……(汗)お恥ずかしいです。

 物語に入り込めたとのお言葉がとても嬉しいです。ありがとうございました!


> イトマキエイさま

 ありがとうございます。実はこの掲示板とは別の場所で、もうおひと方、べつの方からもツルが標高の高い山脈を越えるような場面を想像されたというご意見をいただいていました。
 クライマックスシーンがアレでしたので、あまり高空を飛べるようだと都合がわるいというストーリー上の制約があって、こういう設定にせざるを得なかったのですが、なんとかそういう素敵なシーンが入れられればよかったなあと、悔しく思います。またあまり高い空は飛べないという設定も、もう少し早めにさりげなく提示できればよかったなあと。細かい配慮が行き届きませんでした。お恥ずかしい限りです。
 ほかにも通過儀礼等、風習や民俗的な部分をもっと情緒的に盛りこめればよかったなと思います。

 エトゥリオルをとりまく偏見や悪意は相当にあった(経済的事情も逼迫している)のですが、これは描写不足のために、読み手の方にその切実さがきちんと伝わるように描けていないのだと思います。就職がすぐに決まった理由も、エトゥリオルの能力や会社の状況などの描写をした際に、そのあたりの説得力を感じさせるように書けていなかったのだろうと思います。無念です。

 このような粗だらけの小説を丁寧に読みこんでくださった上に、フォローまでありがとうございます。色々と書ききれなかったことも多く、悔いの残った作品ではありましたが、この悔しさを胸に、今後も精進していきたいと思います。ありがとうございました!


> 神沢翠さま

 ありがとうございます! 机のシーン、せっかくのSFというのに、あまりにも身近なちんまりしたことをしつこく書きすぎたかなあ、退屈じゃないかなとハラハラしていましたので、こんなふうにいっていただけて、すごく嬉しいです。
 科学考証、じつはあまり出来ていなくて、内心では冷や汗だらだらだったのですが、化けの皮、剥がれてませんでしたでしょうか(汗)
 いただいたお言葉を励みにして、精進してまいりたいと思います。温かいお言葉の数々、ほんとうにありがとうございました!


[1086] 感想です。 Name:深緋 2012/10/08(月) 15:31
〆後なので、ここと感想の両方に書いております。
遅くに感想、すみません。

エイッティオ=ルル=ウィンニイが一番好きです。
しかし、書き方の配分が少々気になる所でしょうか? 後半に偏り過ぎて。

後、ジンとハーヴェイ。
ハーヴェイがジンの存在に救われていたとあったので、もう一回エピソード来る!
と、思ってたのですが……無かったので、アウーと思っています。
でも私が、読みたかったー!と、思っているだけなのです。

マルゴ=トアフ、とても魅力的な世界です。
ホログラムに彩られた街、道を行く人々やトゥトゥ。実際に見てみたい。

私の中では銀色の物語と位置付けられています。
イメージなんですが、鋭く照り返す光のように感じました。
冷静で怜悧な文章。芯のあるストーリー。

最後、とてもホッとしました。
良かった、これからも頑張れ。遠くから応援してるよ!
エトゥリオルにそうエールを送ります。

良い物を読ませていただきました、ありがとうございます。


[1091] 返信です Name:HAL.A 2012/10/08(月) 17:38
> 深緋さま

 ありがとうございます。エイッティオ=ルル=ウィンニイをお気に召していただけたとのこと、とても嬉しいです。

 ご指摘も感謝です。前半をもうちょっと絞るか、逆に序盤にもっと濃いエピソードを盛るなりスピード感のある展開を入れるなりして、濃密にできればよかったなと思います。序盤で退屈に感じて読むのをやめてしまわれた方もおられたのではないかと……。
 冒頭から事件はすでに始まっている式の書き方がどうもうまくできなくて、どうしてもゆっくり積み上げてから話を動かすスタイルになってしまいます。いつかは身につけたいスキルのひとつなのですが……。頭でわかっていればできるというものでもないようで、一朝一夕にはいきませんが、くじけず精進します。

 ジンとハーヴェイ、わたしとしても、もう少し書きたかったような気がしています。時間をかけて準備した割に、エピソードのペース配分が巧くいきませんでした……構成力を身につけたいです。

 れ、怜悧……そんなふうに評していただいたのははじめてかもしれません。嬉しいやら照れくさいやら……ありがとうございます。
 この主人公の話を、どうしても書きたかったのですが、わたしにもっと構成力や筆力があれば、もっとちゃんと伝わるように書いてあげられたのではないかと、悔いが残っています。それでも彼に応援の言葉を贈っていただけたこと、とても嬉しく思います。

 温かいお言葉の数々、ほんとうにありがとうございました!



  



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