空想科学祭FINAL感想掲示板

空想科学祭FINALにようこそ!
今回は、作者側から事前に「感想耐性レベル」を伺っています。
詳しくは、企画サイトの作品リストをご覧ください。
なお、スレッドは実行委員会で立てますので、ご了解ください。


★読者さんにお願い★
・耐性レベルより辛口の感想をつけないように配慮する。
・誹謗中傷にあたるような書き込みをしない。
・他人の書き込みに、いちゃもんをつけない。

★作者さんにお願い★
・作者からのレスは、企画終了後に纏めておこなうこと。
・自分の示した耐性レベルより
  辛口ではないかと思われる感想が書き込まれても逆上しない。


[181] いただきます/じょーもん 【レベル5】 Name:空想科学祭実行委員会 HOME 2012/08/20(月) 01:43 [ 返信 ]
刹那の死など要らない。 欲しいのは永遠の終焉。 目覚めることがない闇。なのに私の人生を、魂を、そんなにもあなたは望む。 逃げることが許されないなら、あなたの中に消えてみよう。 どうぞ、おいしく召し上がれ。

http://ncode.syosetu.com/n3092bi/



[414] 【ネタバレあり】感想です Name:HAL.A 2012/09/01(土) 18:44
 拝読しました。
 怖くて、いびつで、グロテスクで、美しくて、そして悲しいお話でした。

 冒頭から不穏な気配があり、タイトルもあいまって、背筋がざわざわするのを感じながら読みだし、そのまま怖いもの見たさにけん引されて読み進めました。
 小説で、思わせぶりにちらつかされた謎や伏線が明かされるまでの時間というのは、書き方のちょっとしたバランスで読み手のストレスにもなりかねないけれど、本作の場合、伏せ方と見せ方が絶妙で、終始興味を引っ張られてぐいぐい読まされた感じです。

 そして読み終えてみればけして怖いだけでなくて、皮肉で、愚かしく、悲しい。いいラストでした。
 惰性で更新する人々。何度も生き直すことのできる、歪んだ社会……。こうして遠くから眺めれば、滑稽なようにも思えるけれど、いざ自分が現実にその選択肢を眼前に突き付けられたときに、死なせたい、死にたいと即決できるひとが、どれだけいるんでしょうか。それを考えると、やはり悲しい。

 魂の所在についても、思いを巡らせざるを得ません。再生された肉体に注ぎ込まれた記憶――それは本当に、生き直しているといえるのか。

 ひとつだけあれ、と思ったことが。といっても実は、気になったというほど気になったわけでもないのですが、レベル5ということですから、一応書いておきますね。
 序盤に「二、三年いや最悪、五、六年という時間が必要かもしれない」という表現がありました。けれど最後まで読むと、「そして新しく生れたとき、いつもあなたは前より大きくなってる。」「私が覚えている私のママよりも、ずっと老けて見える」からすると、何十年もかかっているようです。最初の予測よりも時間がかかってしまったというだけかもしれませんが、あれっと思ってしまいました。
「ずいぶんゆっくりな――」でフォローされているようにも思いますが、個人的には冒頭のほうの予定は、もうちょっと長めに見積もってもよかったんじゃないのかなあと思いました。あるいは途中で最初の予定よりもずいぶん時間がかかってしまったという主旨の表現は、もうちょっと強調してもいいのではないかなあと。……が、ストーリーに予定調和的な印象を作らないためとか、そういった何かの理由から意図してそのように表現されたのだったら申し訳ないです(汗)

 楽しんだ、よかったといってしまっては内容的に少々語弊があるかもしれませんが、いい小説を読ませていただきました。つたない感想、どうかお許しくださいますよう。


[416] ☆☆☆☆☆ Name:鳥野 新 2012/09/01(土) 20:13
 うっわ〜、面白い。
 気の迷いかもしれないが、気持ち悪いのに、美しい(……気がする)。
 こういうのをどう表現すればいいのだろう、理知的耽美求道主義?
 しかしよく、こんな設定を思いついたもんだ……。作品はやはり作者のどこかしら精神を反映するものだと思っているけど、今回の作品で針金のような作者の強靭な精神を垣間見た気がする。
 その発想に乾杯。
 壮絶な家族愛、堪能、と言うか衝撃を受けながらいただきました。

 It's delicious !!!


[437] 感想 Name:四十万 2012/09/02(日) 13:53
 野心的な作品である。当然読者の忌避・嫌悪を承知し、反応を予測して書いている。
 この作品のキーストーンはこの忌避・嫌悪に当たる「行為」を許す世界が「異常」ではない、という点にあるように思える。作者は肯定的に書いているようにも見える。この世の行く末がこの「世界」に至る、若しくはこの「世界」は「個」の中に既に有り、それが萌芽する日を待っている、そんな印象も覚えた。正にSFが好む主題だ。
 だが、それ以上に何があるのか、私には見えて来ることはなかった。否、見たくなかったのかもしれない。

 前半、予感はあるものの、ミスリードの罠が散らばめられている可能性の中を進む。ここは文体が物を言う部分だが、ここには問題はないことは作者は長編で実証している。
 しかし私は「こーとろ」の冒頭で引っ掛かった。ここで一気に読者の「予感」を肯定してしまう。この造りには首を傾げた。ソニー・ビーンが何を意味するか知らない読者ばかりではない。
 後は、読むか読まないか読者次第となる。結末は既に見えている。見せ方も、前半から大体分かる。
 
 だが、それ以上は言わぬが仏。作品は作者を写す鏡、であってはいけない、と思う。作者は舌を出しているかもしれないし、大真面目に愛の究極を描いたのかも知れないが、私は知りたくはない。
 ただ一つ言えることは、この手のものが描けるこの作者、この作品を出して来る作者は、やはり巧みな書き手だ。


[475] 拝読致しましたので感想を… (ネタばれあり注意!!!!)【レベル5】 Name:招夏 2012/09/03(月) 16:46
魅力的な魅惑的な文…だけど、嫌な予感がする。

濃密になっていく嫌な予感…ダメ、このまま読み進めば恐らく…
だけど、やめることができない。誘われるように魅せられたように読み進めてしまう……甘美な毒のような作品。それがこの作品の全体的な印象でした。

折しも、私はとちおとめ入りアイスクリームを食べたばかりで、読み終わってほけーっとしていると、今さっき私が食べたの本当に苺の欠片だった? とこみ上げるものが…ううう。

私が娘だったら、あるいは夫だったら…そしてこの妻だったら、どうしていただろうか…。そればかりグルグル考えさせられました。少なくとも私は愛する人に自分を食べてほしいとは思わない。そりゃ、美味しければいいけど、不味いで終わったら身も蓋もないじゃんかー(爆) つまり、この妻は美味しいと言ってもらえる自信と、この二人ならきっと美味しいと言ってくれるという信頼(どんだけ激しく信頼してるんだー) があったんだろうなぁと思いまする。そこが一番凄まじい。

繰返す命には、何の意味と意義と、どれほどの重みがあるんだろうかと時々考えます。この妻のように死ぬために何度も生まれるのでは、本当に意味が無いですね。

生き残った者は何故死者を弔うのか。弔いは生者の為にあるんだなぁと、ホントそう思います。ここでの彼女は、残された者が諦める為に繰返し召喚した亡霊のようです。これで終われるといいなぁと心からそう思いましたです。はい。


[486] 一言感想 Name:ぷよ夫 2012/09/03(月) 23:35
怖い、グロイ、そして面白い。

出だしから、怪しくも魅力的な文が続き、どんどん嫌な予感が積もりに積もっていき、「予想された衝撃のラスト」へと堕ちていく。
その間、読み手である自分のことをつかんで離さなかった筆力は、巧みなものでした。

そして、生死とは何か、肉を食らうとは何か、ということをなにやら考えさせられる作品でありました。


[500] 感想をひと言 Name:早川みつき 2012/09/04(火) 22:22
拝読しましたので感想を。

コメントに困る読後感。
読んでからしばらく時間をおき、考えてみたのですが……。

主人公の女性の、非常に自己中心的な愛の押し売り。それがシュールでした。
こういう行為を肯定する社会はきっと壊れている。
人類は滅亡に向かうんだなと思いました。
読書に爽快感やカタルシスを求める方にはお勧めできないですね。

世界観は俯瞰の視点がなく曖昧。意図されてのことでしょうけれども、
こういった行為が肯定される社会の必然性がもう少し鮮明にしてあれば、
感想は違ったかもしれないとつけ加えておきます。

執筆お疲れ様でした。


[512] 感想です Name:きよわなこりす 2012/09/05(水) 03:43
 この世界にはいわゆる「ゴースト」がないのですな。
 ざっと他の方の感想を見る限り、人間が肉体と記憶のみで出来上がっていることに、どなたも違和感を覚えていないようで、むしろ私はそこに驚いた。
 私はずっと違和感を抱えて読み進みました。ゆえに物語が結末を迎えたとき、衝撃も気持ち悪さもなかった。この世界でもさすがに「それ」は無問題ではないと言うことらしかったが、何で?という印象。作者さんが知らないだけで、この世界で「それ」は頻繁に行われていそうじゃないかと、意地悪く思ったりしました。

 もう一つ。大したことではありませんが。
 「ハンニバル・レクター」は「ドクター」です。作中で彼が「ミスター」と呼ばれる場面は皆無か、あったとしてもそれは彼が医学博士であることを知らない人物によるものだけでしょう。何か作為があってのことなら失敗だと思います。作者さんも彼がドクターと知らないのかなと思ってしまいました。単なるミスなら速やかな修正をおすすめします。


[552] 読んだのだー。 Name:燃えるお兄さん!! 2012/09/06(木) 20:39
長編書きは構成力が鍛えられているから、短編を書いたって面白くないはずがないのだ\(⌒∇⌒)/ 読み始め、地の文と会話の組み合わせから、不覚にも多重人格者の独り言かなと思ってしまったのは秘密。でもこの文章ってぜったい女性じゃないと書けなと思うのだ。甘美な言葉遊びのなかに凝縮された毒素の濃度がハンパない。男にはこういうのたぶん書けないと思うのだ。それにしても3回読み返して、3回とも違った読後感を味わったことが不思議でたまらないのだ。きっとなにか仕掛けがあるんだろうけど、お兄さんにはそれが分析できなかったのだ。あうー。ところでこれはごく内密は話だけれど、JOMO姉ェの左肩にはサソリのタトゥーがあるというので、お兄さんこっそり風呂をのぞきに行ったのだ。悩殺ボディに鼻血を吹いてしまったのだ。でもサソリのタトゥーなんてどこにもなかったぞ。その代わり背中になんと鬼子母神の彫り物が……あう、これ以上は怖くて言えないのだ (゜Д゜|||)

[555] RE:いただきます/じょーもん 【レベル5】 Name:インチキ堂のおやじ 2012/09/07(金) 00:01
最初からとても嫌な予感がしたのですが、目がはなせませんでした。
途中から、誰の視点なのかもよくわからなくなり、読んでいく自分の精神状態も危うくなったり。
それでも読んでいくうちに、伏線が次第に回収され、全容が見えてきました。
なんとも美しいと言うか、物悲しい……でも願いが叶ったようなラストに驚きでした。
最後まで読んで、ようやく物語が一本線でつながりました。
面白かったです。


[562] あさってな深読み【ネタバレ】 Name:イトマキエイ 2012/09/07(金) 14:35
人食を愛と絡めた場合、それは多分にエロスの発露として描かれることが多い。「二人は一つとなる」を文字通り体現するわけです。

この作品においても、初めは「僕」と「私」のいびつな愛のあり方に目が行きました。「私」の「狂気」が「僕(あなた)」に向けられる描写が、それを示しています。その下地となるのが、繰り返し可能となった「生」であり、欲望に走るいびつな世界の描写によって、殺人が最悪の禁忌でないと納得させられます。

そして娘の出現。「狂気」の大きさを示すだけの存在と思いきや、実は「私」の苦しみを増している張本人が彼女だったのですね。

そこで、この作品における人食はエロスとは大きくかけ離れていきます。

では、どんな愛なのか。そのヒントが「ソニー・ビーン」であり、「カニバル・ハンニバル」の否定であり、「聖餐」の本質的な意味となります。

その前に、「子が親を食べる」という行為から、まず「親のスネをかじる」という言葉が連想されました。子どもはある意味、親のものを受け取り続けて成長します。私事ながら母の臨終の顔と見たとき、自分はこの人の存在を食べてここまで成長したのだなと、ふと思ったことでした。「スネ」は人生を歩く脚の「スネ」でも有りましょう。子どもがいるために親はふらつくこともあります。けれど、それでも親が与え続けるのは「愛」ゆえであり、「スネ」は親の「愛」そのものなのです。

その「愛」は「ソニー・ビーン」のように、生きていくために日々必要不可欠なものであり、決して嗜好品でない。

しかし、この娘はこの「愛」を受けることができなかった。親からの拒絶は自分の親への拒絶をうみますが、やはり子どもは何かを与えられなければ成長できません。そこで娘は親の肉体的存在そのものに頼り、「私」の死することをあくまで拒んだのだと思います。憎みながらも存在に頼り続けなければならない縄目を追い、結局娘はかなり長じていたにもかかわらず親のそばを離れることができなかったのでしょう。これは、ある意味「ニート」ですね。

以上から、「私」は娘が頼る自分の存在のもの――「肉体」を、親として示せる唯一の「愛」として与えるのです。ここで「聖餐」の意味が重要となってきます。「聖餐」の元となった「過ぎ越しの祭り」の食事は、解放前夜に食されたものです。娘にとって、肉体的な親依存からの解放。そして食事を提供するものが、食する者のうちに入り、どこまでも共にいるとの約束の食事でもあります。だから、この食事は一回限りなのです。

多かれ少なかれ、子どもは親(それに代わるもの)の愛を日々受けて成長し、親を食べ尽くして独り立ち、大人となって逆に与える者となるのだと思います。

ということで、この小説は、子どもが親の愛を紆余曲折の末与えられ、親離れをする愛の物語ととりました。

最後にパートナーの役割ですが、これは食事を提供するものと食するもののあいだを取り持つ、祭司の役割ではないかと思います。祭司は捧げられた子羊の一部を食する権利を与えられていますので。


[578] タイトルにつられて読んだけど Name:元隔離部屋ハンドシェイカーより 2012/09/07(金) 23:33
 僕、パズル嫌いな馬鹿なんで話がよくわかりませんでした。
 まぁ、最後に人食うってのはわかったけど不親切な小説だと思いました。

 断片的に話区切られてもなぁ〜 

 


[608] RE:いただきます/じょーもん 【レベル5】 Name:ゲゲゲの戯 2012/09/09(日) 12:04
この作者様は長編巧者というイメージが強かったのだが、鱗が落ちた。この方、なんでもいける人なのである。

視点をくるくる動かし、様々な人物の一人称で進むこの小説、のっけからの全体像の把握が難しい。しかし最期まで読み進めてみればその全体像がぼんやりと見えてくる。読み手を選ぶ構成であろう。
そして、賛否両論は致し方ない作品ともいえる。扱っているモチーフがモチーフだし、ある意味で「分かる人に分かれ!」とばかりの作り方がしてある作品である。これだけ感想欄がにぎわっているということは、この時点で作者様の誉れなのである。

さて、筆者は他の感想人とは肌合いの違う指摘を残しておきたい。
実は筆者、この作品で重要なモチーフであった×××ニズム(一応伏せておく)に対して耐性があるのである。あ、いや、別にそういう文化を肯定しているわけではないし自分が進んでしたいというわけでは無論ない。若かりし頃修めた学問の関係上、このたぐいの話をたくさんいろんな場面で見てきたし、触れてきただけのことである。
そんな筆者の目から見ると本作、ちょっと物足りないのである。
この話の大きな縦糸である×××ニズムを取り払ってみると、実はこのお話そのものはむしろ普遍的な光景にSF的な光景が加わっているに過ぎない。
非常に曖昧な表現になってしまうが、キャラクターたちの狂気が「常識的な」狂おしさだったのであろう。読者としては物足りなかった次第である。

センセーショナルなモチーフだけにそれに負けない狂気を描いて欲しかった、というのは、無茶な要求にすぎるのであろうか。しかし、レベル5ゆえ、あえて描かせていただいたわがままである。ご寛恕願いたい。


[626] 【ネタバレ含む】【一言】感想 Name:鄭文ういな 2012/09/10(月) 00:34
 死をニーズ、娯楽にしてしまう社会。なんどもなんども繰り返される生。登場人物にとって生は死のためにあり、そして死は、愛情表現の道具となってしまっている。読んでいる間は、まるでこの世が地獄になったような印象だったのですが、読み終えてそこに「愛」があると分かると、どうしても地獄ではないのだと思い知らされました。だけれどどう表現すればいいのか難しい。
 読んでいて頭を使いました。使ったにしては、あまりこの作品の全容を捉えた気にはなれません。ぼんやりとした世界。興味深かったです。
 執筆おつかれさまでした。


[687] RE:いただきます/じょーもん 【レベル5】 Name:右野 前条 2012/09/13(木) 22:00
諸事情により忌避感はなかったため、問題なく読めた。
間口で数割が脱落してしまいそうではあるが、淡々とした表現で割と抑えられていそうではある。
こういった禁忌的な内容にしてはあっさりとした心的描写がそれを狙ったのならば、狙い通りだろう。

ただ、敢えていうなら、視点の切り替えが頻繁に過ぎる。
ことに、ボックスとマンの対話は、いわゆる説明回のように思えてしまう。
数年スパンの話であるから仕方ないのかもしれないが、読み進めるあいだ、どうにもぶつ切り感を抱いてしまった。

そして、ソニー・ビーンとレクター博士の回。
既に言われているよう、両者ともあまりにも有名だ。
種明かしを最終話まで引っ張りたかったのなら、この人選は失敗だと思う。

付け加えるならば、レクター博士に関する描写について。
登場人物の主観であるにしても、些かどうも。
「ハンニバル・ライジング」「レッド・ドラゴン」「羊達の沈黙」「ハンニバル」のいずれにしても、博士が特段、人肉を嗜好品として扱っていたエピソードはなかったと記憶している。
たとえば鹿狩りのエピソードだが、鹿ともうひとつの獲物とを区別せず、肉を切り取っている。博士にとっては、食材という意味で同等だ。
博士にしてみれば、狩猟の獲物、あるいは、屠殺された家畜の肉に対する程度の感覚しかないだろう。
そういう意味で、本作における「命をいただいているという謙虚〜」という文脈には、不適切な例であったと思う。
まあ、博士に関する私の解釈であるので、実際どうかは、なんともいえない。
かのシリーズに思い入れがあるため、客観的でない評価になっている可能性は否めない。

そのあたりを除けば、大変とても、好みの雰囲気ではあった。


[724] ネタバレ含む感想。 Name:武倉 2012/09/17(月) 00:07
 どうも、御作を拝読しましたので感想を寄せさせて頂きます。

 読んですぐの率直な感想は、カニバリズムそのものに強い忌避感を感じてない俺ってやばいのか? と思いました。
 と、同時にそれはこの作品におけるテーマ性を描くための手段にインパクトを感じなかったということでもあります。
 それが、この作品に意外性がないという事なのか、私の読者としての感性が他の多くの方々とズレてるのか、まぁまぁ恐らくきっと多分後者であろうと思いますので、作者の方にとってはありがたくない読者なのだと思います。
 
 さて、アプリオリで成立すると言う訳でもないのに、当然の如くまかり通ってる価値観や倫理みたいなものを揺さぶる作品というのは、その提示する結果がどうあれ非常に好きです。そういう意味でこの作品に大いに共感を覚えました。
 私もそう言ったものを書いてみたいなと思うのですが、恐らく説教臭くなるなり斜に構えて厨二臭くなるなりするんだろうなと尻込みしています。その点、この作品はそういったものを感じさせずに重いテーマを描ききっていて素晴らしいと感じました。

 短い連なりで構成されている点は読みやすさ半分、全体の把握や物語への没入感の阻害半分と言う所でしょうか。短編で書いてしまうのが勿体無いようなテーマだったかなぁと思うのは、読者の贅沢な注文かもしれません。

 それでは執筆お疲れ様でした。


[792] 美しい禁忌【ネタバレ】 Name:栖坂月 2012/09/20(木) 15:57
この方は長編を書く人だ、という先入観は完全に崩壊しました。
いや、全体としては長編作品に比べて窮屈な印象を受けましたし、脱線(という言い方が正しいのかどうかはわかりませんが)をする余裕もなかったので去年までの作品に見られるような「ふくよかさ」が薄くなっていますから、確かに自由に書かれた作品ではないのだろうなぁと感じます。しかし同時に、断片的でありながら全体像がしっかり見えてくるという書き方はなかなかは見事でした。題材としても、これをもし長編で描こうとすれば延々と葛藤や陰惨なやり取りが繰り返されることになるワケで、そういう意味では短編用にしっかりチョイスされた作品なのだろうとも思えます。
構成も文章もハッキリ言ってお見事と言うよりなく、やはり上手いなぁと唸らされたのですが、少し気になったのは基本的なテーマの見せ方でしょうかね。全体を通して、いかにこの狂気に満ちた行為が認められた上で行われているのかという部分に割かれている印象でしたが、最初の章を読んでしばらく、これは気味の悪さを見せる為のもの(つまりホラー)なのかと思っていました。ところが最終的には、ずいぶんと肯定的に正しいものとして行為が完結しています。もちろんそれ自体を狂気、あるいは異常であると見れば恐ろしい話でもあると思うのですが、いささか美しく見せすぎたような気がします。むしろ正しいことと割り切って、異常性など触れずに最後まで至っていたら、また違った狂気を感じ取れたかもしれません。
まぁこの部分は作者様の意図するところによって変化するでしょうし、正解があるワケでもありません。異常だけど愛があればいいよね、というのも一つの形かなとは思います。
いずれにせよ、小説自体は文句なしです。楽しませていただきました。
お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。


[795] 発想の妙、ごちそうさまでした【ネタばれ有り】 Name:饅頭よ永遠に 2012/09/20(木) 18:24
こんにちは、拝読しました。

作家様の特徴としましては、その発想力と駄文にも思える魅力的な文筆力。
元々は毎度、長編で余裕のある書き方をなさる方であると存じていましたので、今回、本作では駄文ではなく、逆にすっきりと視点替えで短編に臨まれたようで意外と言うと失礼ですが、期待度高く読ませて頂きました。
以下から、感想です。

終わりのない生、永遠に続く生。
その中で「私」は、嫌悪をはじめ抱いてる。レジャー化してしまった生死を、否定する。
クライアントが屠殺を希望、マンとボックス、業者は、初の試みを。
「私」は肉を、相手に食べさせたい。被害者として突然殺されたい、という希望。
生かし続ける、旦那。

「全てを食べる」側としてソニー・ビーン。
「全ては食しない」例として対するはハンニバル・レクター。

材料(食材)は揃った。後は、これをどう「料理」する?

…と、いった所でしょうか。そして被害者として…であったのに、いつの間にか神様の話で「キレイに」されてしまっている、この結末。この「美しい」聖餐の終わり。大変見事でした。
ふんだんに(というか多すぎー笑)散られた伏線が、どういう訳か巧く回収できてしまっているのが妙で、とっても面白いのです。まぁ、本作のように視点替えが多く、独創的な傾向の類については二度読みをお勧めしたいと申しておきましょう(二度読みさせて頂きました汗)。
このシュールさは堪らない。是非騙されてみようか!!☆ですね。惹き込まれます。

注意しなければならないのは、結末が2つあるのだ、ということ。
本作には、クライアント(依頼人)サイドと、業者側。2つの立場が存在します。クライアントの希望に添い、尚且つ、「キレイに美しく」合法であるように(実際なるかは置いといて)見せかけねばならない。この条件を基に、一体、マンとボックス、業者は四苦八苦しながら「私」や読者である私達に文章を通し、見せてくれる訳ですね。嗚呼神よ許したも〜。
読中、ホントに「こんだけ複雑でどう終わるんだ?」とワクワクしながらでした。

それで結局、依頼にも成功、依頼者的にも成功(かなぁ笑)。何やかんやで神様で巧く纏まった万歳、ってとこでしょうか(失礼だろうかorz)。私は結構、軽いノリで楽しく読了させて頂いたのですが。バナーからでも明るい軽快な、コミカルタッチな雰囲気だったので♪

マンとボックスってシステムのはずなのに人間のようでとても好感触。掛け合いにもこっそりとクスクス笑わせて頂きました。可愛いとさえ思いつつ。話の中で食いつく箇所はたくさんとあるので(神もそうだし人肉もそうだしシュールな所もそうですね)、読み応えが充分に、「死ねないってどうだろうなぁ」と考えてしまう。人肉を食するは、緊急避難的なもの、に近し捉え方で行われてきた行為であった、ということでも、ちょいと勉強させて頂きましたね。嗚呼何だかお腹いっぱいです。

本作で唯一指摘であるのは、頻繁に行われている視点替え。恐らくは「私」「あなた」「ママ」等、対象が各々どれを指し示すのかを読中で見失ってしまうと、アウトとなってしまう気がします(ここが弱みとなる所だ)。置いていかれないよう、読者側を応援したいと思います。

ではでは、大変興味深く、美味しく楽しませて頂きました。巧いなぁ〜。
おつかれ様でした☆


[842] RE:いただきます/じょーもん 【レベル5】 Name:尚文産商堂 2012/09/23(日) 00:55
なんとなく、落ち着いた印象のある作品でした。
もやもやとしたものが胸にたまるような感じがして、表現しずらいところもあります。いうなれば「ごちそうさま」という感じの作品でした。


[970] 【ネタバレ注意】グロと言われれば、グロ Name:鹿目 咲 2012/09/30(日) 10:57
 グロいと聞いていたのですが、それほどでもなく、すんなりと読み終えました。
 命をいただくという、当たり前のことに特化した世界。人の死さえもいただいてしまう。恐ろしいことだと思います。
 人の死が「死」ではなく「消滅」のような。どなたかがおっしゃっていましたが、「魂」がない。そこにあったのは「魂」ではなく「記憶というデータ」。身体は入れ物のような扱いだったのでしょう。
 昨今給食費について詭弁を垂れて納入しない馬鹿親や、簡単に食べ物を廃棄してしまう輩、そういう社会を受動的に捉え疑問を感じない面々には突きつけたい話題ではありますね。お前は命をどう考えている、と。
 作品のテーマからはちょっと外れるかも知れませんが、「いただきます」の意味を再考するにはよい機会かも知れません。なぜ我々は、食事の前に手を合わせるのかを。
 ただ、読了後はもやもやっとするものが残り、全体がぼやけっぱなしだったので、読み手は選ぶと思います。結局何が言いたかったんだという突っ込みにも、恐らく堪えねばならぬ構成。ですが、実験的なこの書き方でさっくりまとめるとは、やはり巧者なのだと思いました。


[1099] 【作者御礼】 まさかの個別レスなし方向で m(__)m Name:じょーもん 2012/10/09(火) 10:52
まずは、天崎さま、5年間、お疲れ様でした。
何も考えずに押しかけてきて、ただ、楽しませていただきました。他のネット作家さんとの交流も、ここにこなければ、ほとんどしていなかったと思います。お付き合いいただいた皆さまも、ありがとうございました。

さて、作品については、多分モノカキ人生トータル的に見ても、二、三作目になると思います短編への挑戦で、どの程度の尺でものを考え、投入して、どういう角度でアプローチするのが相応しいのか、本当に手さぐり状態での執筆でした。
もちろん、経験の薄いことで、正直わけが分からず、こうだったらいいかもしれないと、あーだこーだと考え、いじり、言葉を選び、と、普段そこまで、一言一句に拘って書いてないので、正直苦戦しました。ですが、とても新鮮な経験で、存外に楽しかったことは、ここで白状しておきまする。(普段からやれよ…、と、言われましたがw)
というわけで、まあ、皆さん信じないかもしれませんが、普段20万字書くのと同じ程度の時間は、費やしての完成となりました。拙いなりに、現時点での持てる力を注ぎ込みましたので、未熟の誹りがあろうとも、私としてはこうとしか書けなかったと開き直るしかありません。

作品として投げたあとは、その作品について作者が四の五の言うのはクールでないと考えないでもありませんので、こういうつもりで書いたのだという自爆ネタはブログでこっそり書くと思いますが(やっぱり書くのかよ、私)、こちらに残す形での発言は避けたいと思います。
今回、ご縁あってお読みいただいた皆さまに、味わっていただくなり、ねこまたぎしていただくなり、踏みつけていただくなり、関わっていただけましたこと、望外の幸せと思っております。
私もここでいただいた皆さんの感想なりご意見を、ごちそうとして真摯に受け止め、消化しておいしくいただきたいと思います。

さて、最初は個別レスを考えていたのですが、撫でられていると無邪気によろこび、蹴られているとムカツクという単純反応しかできそうもありませんので、自粛することにします。
ただ、いずれにせよ、深く丁寧に繰り返して読み込んでくださった人にも、合わない作品でありながらもイベント参加作ということで最後までお読みいただいたかたにも、等しく貴重なお時間を拙作のためにいただきましたこと、ひと言お礼申し上げて、5年間の〆にしたいと思います。

本当にありがとうございました。



  



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